弔問外交

http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200705030002o.nwc

 日本政府はエリツィン氏の死去に伴う弔問外交を活用すべきだった。日本の特使が「シベリア抑留者問題について謝罪したエリツィン氏は、ロシアをスターリン主義から解放した真の愛国者だ」と演説をすれば、プーチン大統領とその周辺にいる旧KGB出身のシロビキ(武闘派)に対する牽制になった。しかし、基礎体力が低下した外務官僚には、この絶好の機会を利用できなかった。

 「国葬には世界各国の現旧指導者が参列し、米国のクリントン前大統領とブッシュ元大統領、ドイツのケーラー大統領、メージャー英元首相、欧州各国の外相のほか、旧ソ連構成国の首脳が顔をそろえた。日本からは『葬儀に間に合う商用便がなかった』(塩崎恭久官房長官)との理由で斎藤泰雄大使の参列にとどまり、ロシアのメディアは驚きをもって受け止めている」(4月26日付産経新聞)。

 エリツィン氏の死去は日本時間の4月23日夜には明らかになっていたので、翌24日のアエロフロート(ロシア航空)便に乗れば同日夜にはモスクワに着く。初動で外務官僚が特使を派遣するというシナリオに気がつかなかったか、あるいは余計な仕事が増えるのを嫌がり首相官邸への提言を怠ったのである。いずれにせよ、外務官僚の不作為は万死に値する。


特使を派遣するというシナリオに外務官僚が気づかないというのはまず考えられない。うーん、佐藤優氏ならもっと突っ込んだ分析を書いてくれるだろうと期待してしまった。


(9日追記)このエントリを読んで対応してくださったようだ。佐藤氏にお礼申し上げる(違:http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200705090001o.nwc