人体に快適な温度

http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20050615ddm016070023000c.html

 ノー上着、ノーネクタイのクールビズで決めて、室温は28度に。国は新たな省エネ対策を打ち出した。だが、薄着をしても28度は少々暑いと思う。人体に適度な温度は何度だろう。

 労働安全衛生法の関連規則は、事務室の気温を17〜28度に定めている。省エネ効果を上げるため、国はこの上限を推奨温度にした。

 神戸女子大の平田耕造教授(被服環境生理学)によると、平均的体形の人が快適な気温は、裸でじっとしている場合で30度前後だ。この時の皮膚温度は33度で、人体は体温を下げるための汗をかかず、体温を上げる代謝の増加もない。代謝が増え始める温度は26〜28度。裸なら28度はまずまずの快適温度だ。

 だが下着に半そでシャツ、ズボン、靴下といった一般的な夏服を着ると、快適温度は22〜23度に下がる。平田教授は「さらに作業でもすれば、薄着でも28度は暑い」と話す。

 和歌山大学の今村律子助教授(被服生理学)は、気温28度、湿度50%、ほぼ無風の実験室で、男子学生6人に軽い歩行運動をさせ、首の皮膚の温度を測った。ネクタイ着用時は35度、していない時は34度だった。一方、胸付近の衣服内温度は34度と33・5度で誤差の範囲だった。今村助教授は「学生はネクタイをしてもしなくても不快だと言った。28度に設定するのは必ずしも快適とは言えない」と分析する。

 シャツのすそをズボンから出せば「煙突効果」で衣服内の風通しがよくなり、涼しさが増す。小泉純一郎首相が衣替えの日に着た沖縄県の「かりゆし」の着方がこれ。単なるファッションではなく、理にはかなっている。【去石信一】


しかし、男子学生6人ですか…。