『ウルトラ・ダラー』関連

非モテ - chirashino☆ura関連。


ウルトラ・ダラー

ウルトラ・ダラー


佐藤優「二十一世紀の世界を舞台にした本格的諜報小説の誕生」(『文藝春秋』2006年5月号記事、手嶋氏サイトより)

 この小説は細部が面白い。例えば、232〜235頁にアメリ国務省の秘密電報が出てくるが、この電報の体裁も文体も日本外務省か用いている秘密度の非常に高い「極秘・限定配布」そのものである。しかも外交史料館で見ることのできるような古文書のスタイルではなく、最近、外務省で用いられる文体で綴られている。


手嶋龍一・佐藤優対談「私が見た『情報戦』の最前線と舞台裏」(『月刊現代』2006年5月号記事、手嶋氏サイトより)

佐藤  この作品は日本人が書いたインテリジェンス ( 諜報 ) 小説の中では最高の作品だと思います。嘘のような本当と、本当のような嘘の混ぜ方が非常にうまくて、みんなが「嘘だな」と思うようなところは多分、本当の話で、みんなに「これはあるだろうな」と思わせるようなところは、おそらく嘘でしょう。しかも現実に現在進行の物語を解明していく構成になっている。この本を読む前と後では世の中の見え方が変わる。そういう稀な本です。


手嶋  嘘のような真実と、真実のような嘘がちりばめてあるのは、ニュースソースの秘匿のためです。インテリジェンスの ” 獣道”に分け入って書くときには、ニュースソースをいかに秘匿するかというのが筆者の腕の見せどころですから。
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手嶋  それについては何もコメントしませんが、そのように睨んだ佐藤優というインテリジェンス・オフィサーは、相手の正体を見極めるために私の本を読み込んで、黒丸を付けたり、ちょっとした表記から様々なことを分析しているのでしょう。分析される側の筆者としては、これは本当に恐ろしいので、『現代』編集部はこのような方との対談を企画するのは今回限りでやめていただきたい(笑)。
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大変興味深い。


(関連)
蝶よハナYO - ウルトラ・ダラー

この本を香港に行く飛行機の中で読んでいたのだけど、香港の空港が「九龍国際空港」と書かれていたのが、ちょっと面白かった。弘法ニモ筆ノ誤リなのか、それともフィクション性を高めるための小ワザなのかな?「この飛行機は時空を超えて九龍サイドの旧・啓徳空港に着いちゃったりするのかしら」と少しワクワクしましたが普通にランタオ島に着陸しました。


雑誌トリビア - 本と雑誌と新聞から・・・

 「Goethe」では、手嶋氏がスパイとして登場したことのある小説として、高村薫氏の「リビエラを撃て」(新潮社刊:新潮文庫)をあげています。作中の英国諜報部員”手島修三”のモデルこそが手嶋氏だと。…特集中で示されるワシントン特派員時代に特別なニュースソースを得るためにした苦労話や努力、そして”決定の瞬間 —記録されていたキューバ危機—”等のすぐれたドキュメンタリーが、さもありなんと、裏付けしてくれています。


http://d.hatena.ne.jp/yumyum2/20060313/p1

  このほか、先週は政府高官から、手嶋龍一・前NHKワシントン支局長の小説『ウルトラダラー』(新潮社。1500円+税)を薦めてもらった。
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 この政府高官は、1日に本を10冊読む超人。1年前ぐらいに話題になった米テレビドラマ「24 twenty four」も、日本に紹介される前に、米国からDVDを取り寄せて見ていて、絶対面白いと薦めてくれた人だ。政府高官は趣味でやっている、というのが口癖。


誰だろう。