人間のクズ

憎しみについて: ヒトの目を見て話せない

人類には、二種類の人間しかいないんだ。

 

一方は、心やさしく繊細で、

思わず毎日、チャイコフスキーを聴いちゃうようなヒトたちだ。

 

もう片っぽの方は、チャイコフスキーを聴かない困ったヒトたちだ。

たいていは、ブラームスを偏愛するマニアどもだったりする。

まあ、いくら可愛くてもブラームスなんか好きな子は人間のクズに決まってる。

それでも、やっぱり、人間なんだ。

 

ぼくたちは理性を使えば、お互いを理解できる。

ブラームスマニアどものまっただ中に、無防備で入ってみよう。

 

もちろん、ぼくらの繊細で感受性豊かな人格はバレバレだから、

すぐに奴らに取り巻かれ、出口をふさがれることだろう。

そのとき、こう言ってやるんだ!

 

「 ・・・ワグナーって、つまんないよね 」

 

手に手にナイフや棍棒を持って、

ニヤニヤこっちを見ていた奴らもハッと真面目な表情になるだろう。 

そして奴らが、「おおう!」と全員うなづき、

いかにワグナーがつまらないかを一斉に語り出すこと、これ確実なんだ。